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● 安心なお米屋さん

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八俣大蛇

八俣大蛇

高天原を追放された須佐之男命は、自らの罪を贖うため、神々に供える為の食物を大気都比売神(おおげつひめのかみ)にお求めになりました。
大気都比売神は、鼻、口、尻からいろいろな美味しそうな食べ物を取り出して、料理して差出ました。すると、須佐之男命は、その様子をご覧になって、大気都比売神がわざわざと穢して差し出したのだと勘違いなさいます。須佐之男命は、大気都比売神を殺しました。

すると、殺された大気都比売神の体から、次々と大切なものが生ったのです。頭からは蚕、二つの目からは稲、二つの耳からは粟、鼻からは小豆、陰部からは麦、尻からは大豆が生りました。

これらを拾い上げさせたのは、天地初発の時に高天原に成った神で、別天神(ことあまつかみ)の一柱とされる神産巣日神(かむむすひのかみ)です。神産巣日神はこれら「種」として地上にお授けになりました。これが五穀の種の起源なのです。

排泄物から料理を作った神の屍から五穀が生ったことは、排泄物はやがて大自然に還り、また食物になるという「物資循環の仕組み」を暗示しているのではないでしょうか。この逸話から、排泄物も資源であることに気付かされます。

須佐之男命は、出雲国の斐伊川(ひいかわ)の上流の鳥髪(とりかみ)という所にお降りになりました。

そして、うっとうと茂る森の中で、須佐之男命はお腹を空かせていらっしゃいました。
するとこの時、川の上流から箸が流れてきました。須佐之男命は、川上に誰か住んでいるとお考えになり、川をお上りになりました。

すると、やはり川上に家がありました。しかしどうしたことか老人夫婦が娘を挟んで泣いていたのです。
名前をお尋ねになると「自分は国つ神大山津見神の子で、名は足名椎命(あしなづち)妻の名は手名椎命(てなづち)、娘の名は櫛名田比売(くしなだひめ)と申します」と言いました。大山津見神は出雲の地の守護神で、神生みの時に生まれた「山の神」のことです。

続けて泣いている訳をお尋ねになると、翁(おきな)は「私には八人の娘がいたのですが、毎年、八俣遠呂智が来て一人ずつ食べてしまうのです。残るのは一人になってしまいました。今こそ その怪物がやってくる時期なのです」と答えました。

そして「その遠呂智の姿形はどのようか」とお尋ねになると「その目は赤かがちのように赤く、頭八つ、尾が八つ、その身には苔、檜、杉などが生え、体の大きさは八つの谷、八つの峰に渡り、その腹を見ればことごとく血がにじんでいます」と申し上げました。

そこで須佐之男命は、「あなた様の娘を私に献上するか」とお尋ねになりました。
老人が「畏れ多いことですが、しかし、あなた様のお名前も存じ上げません」と申し上げると「自分は天照御大神の弟である。いま天より降りてきた」と自らの身分を明らかになさいました。それを聞いた足名椎命と手名椎命の神は「さようでいらっしゃるなら、畏れ多いことです。娘を差し上げましょう」と申し上げました。

そこで、須佐之男命はその娘を湯津爪櫛(ゆつつまくし)に変えて御自分の髪に刺し、怪物を退治するための準備するよう、足名椎命と手名椎命の神に命じられました。

「八度繰り返して醸造した強い酒を用意し、垣根を巡らせて、そこに八つの穴を空けて、穴ごとに台を置き、それぞれに酒船を置き、強い酒を満たして待ちなさい」

そして準備が整い、怪物が現れるのを待っていると、本当に聞いたとおりの姿をした八俣遠呂智が現れたのです。
八俣遠呂智は八つの酒船のそれぞれの頭を突っ込んでガブガブと強い酒を飲み始め、しばらくすると酒が回って、その場でぐっすりと眠ってしまいました。須佐之男命の目論見どうりです。

そこで須佐之男命は、腰に佩(は)いていた十拳剣を抜いて、寝ている蛇に切りかかりました。真っ赤な血がほとばしり、斐伊川は朱に染まりました。
須佐之男命がその尾をお切りになった時、何か堅いものに当たって十拳剣の刃が欠けて
しまいました。これは怪しいと思し召し、ご覧になると、蛇の尾から、それはそれは神々しい剣が出てきました。草薙の剣(くさなぎのつるぎ)です。

須佐之男命は高天原にいらっしゃる天照御大神に、このことを報告あそばされ、草薙の剣を献上なさいました。この草薙の剣が、やがて皇位の印「三種の神器」の一つになります。


戦いが終わると、須佐之男命は、出雲で新婚のための宮殿をつくるべき場所をお探しになりました。
須賀にお着きになったところで「ここに来て、自分の心はすがすがしい」と仰せになって、その地に宮を作ってお住いになりました。
須佐之男命は、須賀の宮をお作りになった時、その地から雲が立ち上がりました。
そこで次のお歌を

八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に 八重垣作る その八重垣を

と詠みました。

この和歌が一番初めの和歌になります。

尚、須佐之男命は恋愛成就の神様と言われていますよ!
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